オプション会でお薦めされる断熱(日射調整)フィルムは「住宅用」です
最近は省エネ効果が期待できるとありテレビの特集でも挙げられる日射調整の窓フィルムですが
実はコレ各メーカー共、工業用・商業用・住宅用とあり特性がそれぞれ異なります。
工業用や商業用はこんな特性があります。
- とにかく日射調整効果がある
- 太陽光などでギラつきがでる
- ガラスが熱割れする懸念が大きい
- フィルムの表面にハードコート加工していないので傷が付き易い
- 可視光率が低いので暗くなる
住宅(マンション)用ではこんな特性があります。
- 可視光率が高く部屋が暗くならない
- フィルム表面にハードコート加工が施されているので傷が付き難い
- 太陽光などでギラ付かない
- ガラスが熱割れする懸念が少ない
- とにかく日射調整効果が薄い
上記の説明でも分かる様に日射調整フィルムと言っても施工する場所によりフィルムの特性も違い
数種類のフィルムが存在する事がご理解できたと思います。
しかし、住宅用に使用できるものは限られており特性はほぼ同じと言えましょう。(各メーカー共)
同一メーカーで何種類も住宅用を発売しているところも見受けられますが結果はほぼ同様です。
※住宅用の日射調整フィルムはクレームに強い商品として開発されています。
外から見て日中施工した窓だけがギラ付きますと管理規約に反してしまいます。
また窓の掃除でフィルムに傷が付いたりカーテンの色によりガラスが熱割れを起こしたり
フィルムの色が濃くなり暗くなると「クレーム」が起きたり売れなくなってしまうからです。
ましてやオプション会などで施工しますと施工前の状態が分からない為、本当に日射調整しているかが
お客様自身で体感する事がないからです。
本当に日射調整するの??
そうなんですよね、お客様の場合は施工前に確認する事って難しいかもしれません。 単なるデータにしかしぎませんがコレで確認する事もできます。 下記の表をご覧下さい。(某メーカーのデータ表です)

一番左にある「可視光線透過率」というのが見て頂きますと分かりますがフィルムを貼らない状態での
数値が90%で少なくなるにつれて部屋内が暗くなります。
これは断熱フィルムの場合フィルム内に金属が蒸着されておりこれで熱を遮蔽しているからです。
おもいっきり断熱する工業用フィルムでは真っ暗になりますね。
問題の断熱する効率を表すものが一番右にある「熱貫流率」です。
これは冷暖房などの効果が外へ逃げる割合を示している数値に近いです。
表の通り一般的には単板ガラスの場合は「5.9」くらいの数値で工業用の一般的な断熱フィルムは概ね「4.3」前後です。
この数値が小さいほど断熱効果があります。
ご自身で購入を予定しているフィルムのメーカーと品名で調べてみましょう。
「大手メーカー」なら正直な数値が書かれていると思いますが小さなメーカーでは計測する環境などを変えて計測する為
この数値が異常なものを示している可能性もありますのでご注意ください。
どうでしょうか?
概ね熱貫流率は「5.6」程度ではないでしょうか。
何とか90とか異常に透明度の高いフィルムなどは正直・・・限りなく熱貫流率は「5.9」に近いと思います。
これって結果、UVカットフィルムと効果は同じですよ!!
だったら初めから透明のUVカット飛散防止フィルムで良いんです。一番安価ですから(笑)
はい、落ちはココです。
日射調整フィルムで結露が防げる??
はい、無理です。断言します。
さきほども申しました通り住宅用の日射調整フィルムでは断熱効果が得られないので結露は防げません。
また厚手のカーテンを掛けたとしても空気層をもたらす訳ではありませんのでコレも無理です。
※西日等(日射)によるものは防げると思います。
結露や断熱に一番効果が有るのは「内窓」です。
これは100%ではありませんが外気と内気の間に別の空気層を設ける事で断熱しています。(防音効果もあります)
ペアガラスと同じ理論です。
また一般的な内窓はフレームがアルミではなく「樹脂」で出来ている為、特に効果が高いです。
アルミは真鍮に続いて熱伝導効率が高く結果「結露」が起こり易く樹脂は非常に熱伝導率が悪いので結露が起こり難いのです。
UVカットと飛散防止効果が魅力的です
UVカット効果は非常に優れていて部屋にある家具や置かれているものの紫外線による日焼けを防いでくれます。
特に紫外線の強い冬季には効果があります。
それは日射角の問題です。
主に夏の日射角は高く部屋の奥までは日差しが届きませんが冬は日射角が低く部屋の奥まで日が差します。
飛散防止効果にはこんなメリットがあります。
例えば災害時(地震や台風など)に窓ガラスが割れたと想定します。(これ泥棒でもいいです)
窓ガラスは共用部分ですので管理組合の費用負担(住居者は無償)で修繕してくれます。
が、概ね分譲マンションの場合は特注サイズや複層ガラスの為、通常時であっても3週間前後製作にかかります。
ですが災害時ではどうでしょう??
当然その何倍もの製作期間が想定できますね。
その間はどのようにお部屋で過ごされますか??
仮にビニールシートを張って過ごすしかありません。
でも飛散防止フィルムを施工していればガラスにヒビは入りますが飛散しませんのでガラスの交換までは
普通通りの生活が送れます。
これ保険の意味でも貼ってある事に安心がありますね。
また泥棒も同じです。
ガラスを割って侵入しようと試みてもフィルムが貼ってある事が分かれば通常諦めます。
それは統計上からも5分以上かかる事はしないようです。
ですので高価な防犯用フィルムを貼る事もありません。(高価なものがある住戸では必要かもしれません)
防犯の抑制にもつながる良い商品だと思います。
上記の事からも分かる通り住戸全部の窓に施工しないと意味がありませんのでご理解下さい。
施工の価格について
マンションの場合は1件当たりに施工する窓の数は大きく異なります。
例えば角住戸と中住戸では当然窓の数が違うので施工する窓の数も事なってきます。
ましてオプション業者さんの場合は「一斉納品」ですので一度に沢山の窓を施工しますので価格については同等若しくは
外部業者さんの方が高くなる場合もあります。(オプション業者さんの価格設定にもよります)
特に窓数の少ない場合はオプション業者さんの方が安価かもしれません。